こんにちは,モシャです.
今回は院試勉強に使用したおすすめの参考書を紹介したいと思います.
初回の今回は専門科目のおすすめの参考書を紹介します.
基本的に出題内容は航空宇宙工学系だったらどこの大学院でもだいたい同じだと思うので東大院以外の大学院の受験を考えている人もぜひ参考にしてください.
数学,英語の参考書紹介もupしました.(24/09/29 追記)
全体
機械系大学院への四力問題精選
★★☆
院試対策定番の問題集で四力が1冊にまとまっている.ほとんどの問題は有名大学の過去問.
誤植がとても多いがこれに代わる問題集があまりないため皆しょうがなく使っているイメージ.ただ,誤植一覧が載っている掲示板が存在するためなんとかなる.
結局大学ごとに出題傾向が異なるため,自分の受験する大学院の過去問を解いた方が効率良い.
時間が余っていて演習に時間が取れるならこの本をやってもいいかも.
初学者には難しい問題も多いため,いきなりこの本をやって解けなくても落ち込む必要はない.
しかし,一般的に院試でどのような問題が出るのかを掴むことができるので,院試勉強の最初にとりあえず購入しておくことをおすすめする.
現在この本は廃版になっており,四力に制御を加えてリニューアルしたが相変わらず誤植は多いらしい.
↓リニューアル版
流体力学
空気力学入門 (航空宇宙工学テキストシリーズ)
★★★
粘性流体力学 (航空宇宙工学テキストシリーズ)
★★★
圧縮性流体力学 (航空宇宙工学テキストシリーズ)
★★★
日本航空宇宙学会が出しているシリーズ.
3冊に密接な繋がりがあるわけではないため欲しい分野だけの購入でも問題ないが,どれも良著であるため3冊全ての購入をおすすめする.
分からない問題に遭遇したときこれらの本を参照すれば大抵のことは解決する.
基本的に全ての式変形を細かく追う必要は無いが,質量保存式,運動量保存式(N-S方程式含む),エネルギー保存式,排除厚さ,運動量厚さ,エネルギー厚さ,複素速度ポテンシャル,圧縮性流体の各種式等は暗記そして導出できるようにすべし.
ただし,頻出の複素速度ポテンシャルはこれらの本ではカバーしていないためそこだけネット等で追加勉強の必要あり.
機械系の著者が書いている参考書も多い中,これらの本は日本航空宇宙学会が出しているため航空宇宙工学を学ぶ我々に最適化されているかも.
航空力学の基礎
★★★
飛行力学を学べる定番の本.
飛行力学に限らず,試験に頻出な翼や航空機に関連する流体力学,熱力学,構造,制御等の現象についてもカバーしているため飛行力学の対策がいらなくてもおすすめ.
単純に読み物としても面白い.
材料力学
ポイントを学ぶ材料力学
★★☆
大学で使った教科書だが,基本的にこれを解けば問題ない.
基本的な問題に加え,座屈の式の導出,モールの応力円,組み合わせ梁,トレスカ/ミーゼスの降伏条件は押さえといた方が良い.
弾性力学 (工学基礎講座 7)
★☆☆
弾性力学の名著であるが難易度はとても高い.
まともに読んだのは1章のみで後はパラパラ.応力変換(コーシーの公式),主応力,主ひずみ,平面応力,平面ひずみ,平板・円筒・球殻の平行方程式,フックの法則,基礎方程式が主なキーワード.
生活に役立つ材料力学(YouTube)
★★★
散らかっている知識の整理に便利.
名前は知っているけどよく理解していない用語についてよく理解できる.
また問題の解説もただ本の文字を読むより分かりやすい.
制御工学
例題で学ぶ自動制御の基礎
★★☆
大学で使った教科書だが,基本的にこれを解けば問題ない.
ラウスの安定判別法,根軌跡,ナイキスト線図,ナイキストの安定判別法,ラプラス変換,逆ラプラス変換が主なキーワード.
はじめての現代制御理論
★★☆
こちらも大学で使った教科書.
伝達関数表現⇔状態空間表現の変換,状態遷移行列,対角正準形,可制御,可観測,状態フィードバック,可制御正準形,可観測正準形が主なキーワード.
各正準形に対してこの本ではカバーしてないためそこだけネット等を見る必要あり.
熱力学
工業熱力学 基礎編
★★★
基本的にこれを読んでおけば問題ない.
サイクルは得点源であるため各種サイクルの熱効率を自力で求められるようにしておくこと.
ジェットエンジン
★★★
タイトルの通りジェットエンジンのいろいろが分かる.
東大はジェットエンジンのブレイトンサイクルが頻出.
全エンタルピー,全温,全圧での表現に慣れること.また各行程の効率の定義を理解する.
その他,推力の導出やSFC等の各種用語を押さえる.
本書後半のブレードに関する部分等は読む必要なし.
ロケットエンジン
★★★
ロケット推進の原理,比推力や特性排気速度等の用語の定義や式変形,ノズル理論,多段ロケットの計算を抑える.
また本書には載っていないがツィオルコフスキーの公式は必ず覚えるべし.
その他の部分は試験にはあまり出ないが読み物として普通に面白い.
2025年度東大院入試の推進工学ではMPDスラスタについて電磁気の出題があったため,有名な電気推進の仕組みについて理解しておくと有利になるかも?
機械力学
演習力学 ((セミナーライブラリ物理学 (2)))
★☆☆
例題が多数載っていて分かりやすいが,ほとんど四力問題精選と過去問で対策を行い,本書までやる余裕はなかった.
機械力学を重点的に対策したいならおすすめ.
近年,東大では回転系の問題(オイラーの運動方程式)が頻出なので対策した方がいいかも.
電磁気学
電磁気学 (講談社基礎物理学シリーズ 4)
★★☆
初学者にも分かりやすい入門書.巻末付録が豪華で数学の知識不足で困ることは無い.
今年度から試験範囲に電磁気が加わり,どのレベルまで仕上げればいいか未知だったためマクスウェル方程式を理解する程度で留めたが,2025年度東大院入試ではその程度で十分だった.
ただし,今後難易度が上がる可能性はあり.
まとめ
いかがだったでしょうか.
以上が私が専門科目対策に使った参考書です.
対策を始めるのが遅く時間がなかったためほとんどこれらの参考書しか使いませんでした.
これらプラスよくわからない箇所は図書館やネットで調べる程度で十分だと思います(受験先にもよると思いますが……).
何か質問がありましたらコメントをよろしくお願いします.


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