今回は院試対策のスケジュールについて書きたいと思います.
院試は大学受験のように学校の先生に指導されたり模試があったりはしないため,自分の対策の進度について不安になることが多いのではないでしょうか.
「対策はいつから始めればいいのか」,「いつまでに何が終わっていればいいのか」など分からないことだらけです
そこで今回は,私の実際の院試対策のスケジュールと,反省を活かした理想のスケジュールについて書いていきたいと思います.
前提として,私は東大の航空宇宙工学専攻と併願校の2校を受験し,両方とも合格することができました.
私の院試対策スケジュール
B3 4月
志望校の選定を開始し始めました.
このときは現在の大学での研究内容も外部の院を受けるかどうかも決まっていませんでしたが,漠然と大学院には進学したいと思っていました.
そんな状態の私でしたが,とりあえずいろいろな大学院の調査を始めました.
外部を受けるつもりで対策していたら内部も選べますが,内部を受けるつもりでいたら外部を受けるのは厳しいためです(内部は自分の成績的におそらく推薦で進学できた).
調べた内容
- どんな研究をしているか
- 試験形式
- 試験日
- 試験科目 など
ただし,この時点では自分の1個前の代の試験要綱を確認することになるため,大きく変更はないと思いますがあくまで参考程度です.
この時点で各大学院の出題範囲が分かり,どの科目を必ず勉強して,どの科目をもしかしたら追加で勉強する必要があるのかが導き出せます.
例えば,私の候補の中では東大の航空宇宙工学専攻が最も出題範囲が広く,東大のみで出題範囲に含まれている分野は優先順位が低いと言えます.
大学の授業は試験範囲と被るように履修しました.
B3 10月
東大院を目指すことがほぼ確定し,年度内の受験を目標にTOEFLの対策を始めました.
対策と言っても単語帳を読み始めていただけで,結果から言うと年度内に受験までたどり着けませんでした.
B3 12月
自分の大学の研究室見学をしました.
私の大学はB3の終わりに研究室希望を出してB4から研究室に配属されるため,その前に研究室見学をしました.
同期で研究室見学をしている人は少なかったですが,もしかしたら大学院までいることになるかもしれない研究室なので,個人的に先生に連絡して見学させていただきました.
この時点で他大学の研究室も訪問するべきだったかもしれないですが,行きたい研究室がB4の研究内容に左右されそうだったので見送りました.
B3 2月
一応TOEICを受験しました.
東大には使わないですが,逆に東大以外のほとんどの大学院ではTOEICのスコア提出が求められます.
TOEICは2年前に英語のクラス分けのために大学内で受けたのが最後で,公式のやつは初めて受けましたが,TOEFLの勉強を少ししていたため良い点数を取れました.
TOEFLの対策をしていればTOEICはあまり対策しなくてもそこそこの点数取れるみたいです.逆は成り立たないですが.
B3 3月
B4の研究室が決まりましたが,勉強の方はというと,ほとんどできていませんでした……
3月までやっていたサークルが忙しく,これまで院試勉強を蔑ろにしてしまいました.
ほとんどの試験範囲は授業で触れていたため基礎知識レベルでは習得できていましたが,本格的な院試勉強はサークルを引退し,バイトを休業したB4から開始しました.
B4 4月
ようやく本格的に院試勉強を開始しました.
まずは点数配分が小さいと考えられるうえ,事前受験したスコアを提出するTOEFLを片付けたいところです.
TOEFLを受け終えてしまえばあとは数学と専門に集中できます.
とはいえこの時期にTOEFLの対策だけをやるわけにはいかないので,専門科目と数学の対策も並行して進めます.
使用していた参考書等は↓の通りです.
B4 6月
- 東大院と併願校の出願
これだけ院試勉強をしてきても期日までに出願し忘れたり,不備があると悲惨なことになるのでゆとりをもって準備しましょう.
ちなみに東大院はWeb上でマイページからの出願でした.
- TOEFLの受験
初めての受験で試験会場の様子に慣れていなかったこともあり,75点とあまり高得点を取れませんでしたが,これ以上TOEFLの対策に時間を使うより専門科目や数学の対策に費やした方が効率が良いと判断し,このスコアを大学院に提出しました.
スコアの提出期限も決まっているため,余裕をもって受験しましょう.
- 併願校の過去問を開始
もちろん本命は東大院なのですが,試験時期の違いや難易度を考慮して先に併願校の過去問からやることにしました.
東大の院試はとても難しいため,私みたいな凡人の場合,はじめからそれを解こうとすると心が折れてしまうと思います……
B4 7月
- 東大院の過去問を開始
昔の試験問題は出題範囲や出題傾向が異なるため,5年分くらいしか解きませんでした.というか,時間が無くてそれ以上は解けませんでした.
それでも,ひとつひとつの試験時間が長いうえに問題は午前と午後で分かれており,さらに選択問題をすべて解くとなるとそこそこの分量があります.
B4 8月
- ついに院試本番
院試当日の話は↓の記事をご覧ください.
理想のスケジュール
私の経験と反省を踏まえて,理想のスケジュールを考えてみました.
私個人の考えのため,人によって向き不向きがあるのはご容赦ください.
B3 4月
- 行きたい大学院をざっくり決める.
1つに絞る必要はありませんが,研究内容や受験科目をこの時点で確認しておくと,学部の研究室や履修する授業を考慮することができます.
とりあえずどの大学院に進むかを決めるというより,院試って一般的にどういうものなのかを知ることが重要です.
B3 終わりまでに
- TOEFLやTOEICの受験を終わらせる.
東大含め,多くの大学では独自の英語の試験を行わずに,これらのスコアの提出が求められます.
一般的に英語の点数配分は他の科目に比べて低く,他の科目の対策に重きを置いた方が効率的であるため,3年の時点で英語は終わらせてしまいましょう.
英語はすぐに成績が伸びる科目ではないので,長期的にこつこつ勉強が必要です.
- 苦手な分野を潰す.
例えば,制御分野の問題に材料分野の知識が必要など,分野を越えて問題が作成されることがあります.また,分野によって難易度差がある場合,必要最低限の範囲しか対策してないと激ムズの問題を解かざるを得ない可能性があります.
よって,全ての分野を対策する必要がありますが,3年のうちに苦手な分野は潰しておけると後が楽です.
B4 4月
- 大学院の研究室訪問をする.
自分が入ることになる研究室の雰囲気や実験環境を知ることはもちろん,研究室の先生に来年自分の指導教員になってもらいたいことの相談が必須です.
研究室が自宅から遠方で現地訪問が厳しい場合はオンラインでの対応になるかもしれませんが,基本は研究室訪問が必要です.
研究室訪問の時期についてですが,年度末は卒論の提出などで先生が多忙のことが多いので,4月や5月あたりに訪問するのが良いでしょう.
- 試験要項の確認
大体これくらいの時期に最新の試験要項が更新されます.試験内容や日程をよく確認しましょう.
- 院試勉強の開始
使用していた参考書等は↓の通りです
B4 6月
- 大学院の出願
- 過去問を開始
東大航空宇宙の場合は,出題範囲や出題傾向が昔は異なるうえ,分量も多いため5年分くらい解けば大丈夫だと思います.それ以上解くに越したことはありませんが.
他の大学院については,直近5年分くらい解いてみて毎年同じような問題が出るようだったら10年分くらい解いて形式に慣れると良いと思います.
B4 8月
- 院試本番
面接対策についてはほぼ不要で,試験数日前くらいにちらっと考える程度で大丈夫でしょう.
院試当日の話は↓の記事をご覧ください.
まとめ
いかがだったでしょうか.
今回は院試対策のスケジュールについて書きました.
基本的に院試対策に早すぎるということはなく,早ければ早いほど良いです.
結局人によって能力や使える時間は変わるため,今回の記事は参考として考えてください.
何か質問がありましたらコメントをよろしくお願いします.



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